会社の人材や人的資産の延長として人的資本をとらえていないでしょうか。企業価値創造の主役である「人」が、自らを人的資本として会社に投資したとき、はじめて人的資本となるのです。人的資本主義時代の会社経営は、人的資本となる人材をいかに惹きつけ、企業価値を生み出し続ける人材としていかに活躍してもらうかにかかっています。人的資本主義の時代の本質をとらえ、今後の企業経営の方向性の議論から研究会をスタートします。

未知の領域に踏み入り、画期的なモノやコトへのチャレンジが自分の使命と捉え、スピードとアジリティで事の本質を追求する機会こそが人材の成長進化を生みだすと言っても過言ではないでしょう。
従来の枠組みから逸脱し、自らやりきる優秀なマイノリティを、次世代ビジネスリーダーとして輩出し、アウトプットを生み出し続ける組織に生まれ変わらせるために経営者は何をしなければいけないのか、あるべき経営者像、リーダー像についての認識を深め、これを実現させる企業文化について議論しましょう。

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グループディスカッション
テーマ：
座長講話を踏まえ、企業の競争力に一番影響する人材作りや新しいことにチャレンジすることにより
エンゲージメントを上げていくために、どうしていくべきか？
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ビジネスリーダーの意識と意欲を高め、企業の競争力や価値の創出を起こすために必要なものは、多様なパワーとやる気が絡み合う化学変化に他なりません。多様性はビジネスのパワーを生み出すだけで無く、企業の品格やステータス(社格やブランド)を作り出す源泉であり、経営は多様な観点から物事を捉えるからこそ、リスクの回避とビジネスチャンスを両立させることができるでしょう。
ダイナミズムを生み出す多様性をどのようにマネジメントし、また優秀なマイノリティを活かすためには、どのような考え方や人材のとらえ方が必要になるのか、従来は排除されがちな人材の成長を支援するための経営者としてのマインドセットは何かを議論しましょう。

未知の物事を構想してチャレンジし続けるリーダーを本当に成長させようとしている会社がどれだけあるでしょうか。真の新しいリーダーは、会社が育成しようとして育つものではなく、厳しい環境に晒し放り込むことでしか成長は無いでしょう。失点しない・させないといった従来の成功体験型ではなく、常に謙虚で今のレベルでよいのかという問題意識を強く持ち続ける成長体験型のリーダーはどのようにして成長していくのでしょうか。難しいからやる、世の中を変えるためにチャレンジする、物事の本質を見極め正しいことを達成するためにリスクを怯まず、踏み込む勇気を振り絞る次世代リーダーを生み出すための人材の発掘と成長を支援する環境をいかに作るべきか議論しましょう。

ロボットやIT・AIによって多くの非効率な仕事が代替・駆逐できる時代では、人でしかなしえない領域や仕事感を人材がいかにして共有していけるかが重要です。
社会の要請や課題を解決しながら、共感や共鳴される考え方を打ち出し、時代の変化を先取りしながら、仕事の業態変化に合った人事が求められていることは言うまでもありません。デジタル時代の人事の考え方を模索するとともに、データドリブンの経営を支援できる人材の成長を支援できるか議論しましょう。

人的資本主義時代の経営は、アクティビストに象徴される資本市場圧力に対応した資本効率の高い企業経営を実現するとともに、自立した人間の価値観や幸福感を重視した人的資本の視点や、社会資本、文化資本といった多様な視点を重視した総合的な持続的価値向上を実現することが求められます。

企業の存在意義（パーパス）実現に向けて人材一人一人が自律的に取り組み、経済価値と社会価値を両立させる人的資本主義時代の新しい経営戦略を構築・実現させていくためには、目指すべき新しい企業価値について経営者から現場までがともにバックキャストの手法で将来を共有していくことが不可欠です。新しい企業価値とは、それを実現する経営とは、そのための人事とは何かを皆で議論しましょう。